
技術とは何だろうか 三つの講演 (講談社学術文庫)
ハイデガー,マルティン and 森一郎
講談社 / 2019-03-13
この本について
仕事でも生活でも、「場所にいるはずなのに落ち着かない」「空間の使い方がしっくりこない」というモヤモヤってありませんか。住まいづくりの話に限らず、働く場所や人との距離感まで、どこか“自分がここにいる”という感覚が希薄になるあの感じです。僕自身よく迷うのですが、そんなときに読み返したのが『技術とは何だろうか』でした。 この本が効くのは、空間を“与えられた箱”として扱うのではなく、「場所によって空間が立ち上がる」という視点を返してくれるところです。たとえば、橋を思い浮かべるだけで、実際にそこへ近づいているのと同じように“関わる”ことができるという話。距離や物理的な位置ではなく、自分がどのように関わっているかで“近さ”が決まるという感覚は、働く環境や人付き合いにもそのまま効きます。 また、建てることそのものがすでに“住む”ことである、という指摘も刺さります。何かを作るとき、それが最終的に役立つかどうかだけで判断しがちですが、作るという行為の途中にも、自分がどう世界に居るかがあらわれてくる。タスクをこなすだけの日々に、少しだけ輪郭を取り戻させてくれる考え方です。 「場所との関わり方がわからない」「技術や仕事に向き合う姿勢が揺らいでいる」そんな人に静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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