
日本語と西欧語 主語の由来を探る (講談社学術文庫)
金谷武洋
講談社 / 2019-05-11
この本について
「日本語って、主語があるようでないようで、結局どう捉えればいいんだろう…」と、文法書を読んでも霧が晴れないままになることがあります。西欧語の説明に自分の感覚を当てはめようとすると、むしろ違和感だけが残ってしまう。僕もずっとそのモヤモヤを抱えていました。 この本が面白いのは、「日本語が特殊だから理解しにくい」のではなく、「そもそも西欧語の前提が日本語とぜんぜん違う」という地盤から丁寧にひっくり返してくれるところです。たとえば、印欧語の中動相が「無主語文」だったという指摘に触れると、主語を崇めるような説明にどこか馴染めなかった理由が腑に落ちます。また、日本語が自動詞中心で「何かがそこにある・自然にそうなる」と表現するという話は、日常で何気なく使っていた言い回しの奥に、自然との距離感や発想の癖まで見えてきます。さらに、謙譲表現が「他者ありき」だと理解できると、敬語に感じていたモヤモヤも整理されていきます。 言語は論理よりも、自分がどんな世界の見え方に立っているかを映すものなんだなと改めて感じました。日本語の感覚にうっすら違和感を抱えつつも説明が見つからない人には、とても静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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