
赤ちゃんはことばをどう学ぶのか (中公新書ラクレ)
針生悦子
この本について
子どもの言葉について考えるとき、「本当にこんなペースで大丈夫なのかな」と不安になることがよくあります。周りと比べたり、動画を見せたら少しは効果があるのかと迷ったり。大人が外国語を学ぶときの苦労を思い出して、「赤ちゃんって結局どうして話せるようになるんだろう」と不思議になることもあります。 この本は、そういうモヤモヤに対して、赤ちゃんがどんな世界を相手にしているのかを地に足のついた形で見せてくれます。たとえば、生後12か月までに母語特有の音の聞き方ができるようになるまでの“地味な積み重ね”。外からは何もしていないように見えて、本当はずっと音の流れを分析し続けていること。あるいは、同じ単語でも話す人が変わるとわからなくなるほど、最初は不安定な聞き取りから出発していること。こういう具体的なプロセスを知ると、子どもの成長を「遅い・早い」で捉えていた自分の基準がふっと緩みます。 また大人の外国語学習とも重ね合わせやすくて、LとRの聞き分けの話など、「できないのは才能の問題ではない」という視点がそのまま自分に返ってきます。子どもと大人の違いを神話化せず、仕組みとして説明してくれるのがありがたいところでした。 子どもの成長を焦らずに見たい人や、言語の学びに関して肩の力を抜きたい人に特に刺さる一冊だと思います。
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