
自動車の社会的費用 (岩波新書)
宇沢 弘文
岩波書店 / 1974-06-20
この本について
最近、都市を歩いていて「なんで歩行者ってこんなに脇役扱いなんだろう…」とふと立ち止まることがあるんですよね。便利さのために仕方ないのかなと思いつつ、どこか腑に落ちない。この本を読んだ人が抜粋していた箇所を見ると、そのモヤモヤの正体をきちんと言語化してくれるところに刺さっているんだろうなと感じます。 宇沢さんは、自動車の便利さと引き換えに、誰がどれだけ負担しているのかを淡々と示していきます。事故、公害、道路構造の欠陥、そして「歩く権利」そのものが削られていく過程まで、数字と具体例で描き出す。読んでいると、単なる交通の話ではなく、「何を大事にした都市に住みたいのか」という問いに向き合わされる感覚がありました。自分の移動の選び方や、街の作られ方への見え方がじわっと変わります。 そしてありがたいのは、極端な断罪に走らず、「社会的費用を正しく負担するなら、もっと違う道があるはずだ」と静かに提示してくれるところ。歩行者を守る構造の話や、公共交通が衰退していった経緯など、普段ニュースで流れる単語の裏にこんな積み重ねがあったのかと目が覚めるようでした。 便利さと安全、自由と負担のバランスに違和感を覚えたことがある人には、とても刺さる一冊だと思います。自分の生活圏をどう見直すか、その入口をくれる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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