
歴史を変えた10の薬
トーマス・ヘイガー and 久保 美代子
すばる舎 / 2020-01-29
この本について
仕事でも日常でも、何か新しいものに触れると「これって本当に安全なのか」「便利さの裏側ってどうなってるんだろう」と妙に引っかかる瞬間があると思います。僕も薬や食品のニュースを見るたびに、判断の軸がぐらつく感じがしていました。 『歴史を変えた10の薬』を読んで面白かったのは、そのモヤモヤが“昔からずっと続いている感覚”なんだとわかったことです。アヘンが痛み止めにも娯楽にもなり、命を救う一方で依存も生む。ある薬が英雄扱いされた数年後に「危険だ」と叩かれ、そこからやっと冷静な評価に落ち着く。このサイクル、現代の薬やテクノロジーでも普通に起きてますよね。そこに歴史的な文脈が乗ると、今の混乱が少しだけ整理されます。 もうひとつ印象的だったのは、薬そのものよりも“人と制度”が歴史を動かしてしまうという点です。お茶やタバコのような娯楽が戦争や貿易摩擦につながったり、製薬会社が生き残るためにブロックバスターを求めざるを得なかったり。単純に「良い・悪い」で切り分けられない現実が淡々と描かれていて、判断のグラデーションが広がる感覚がありました。 知識よりも、物事をどう距離を取って見るかを身につけたい人に向いている本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの48%が集中しています。
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