
労働法入門 新版 (岩波新書)
水町 勇一郎
岩波書店 / 2019-06-20
この本について
働いていると、人事異動や評価の理由がよく分からないまま進んでいったり、「これって本当に会社に拒否できないのかな…」とモヤッとする瞬間がけっこうあります。制度として説明されるけれど、本当にどこまでが権利で、どこからが会社の裁量なのか、線引きが見えにくいんですよね。 『労働法入門』は、その曖昧さに輪郭をつけてくれる一冊でした。配転・出向・降格など、日常ではよく話題に上がるけれど法的な根拠を意外と知らない領域について、「会社は契約上どこまで命令できるのか」「どんな場合なら権利の濫用になるのか」がちゃんと筋道立てて説明されています。例えば、異動命令は無条件で従うものと感じがちですが、合理的な必要性があるか、不利益が大きすぎないか、就業規則に根拠があるか…と、判断基準が具体的に書かれていて、感覚ではなく整理して考えられるようになります。また、差別禁止の話も、日本の制度が部分的である理由や、欧米との違いまで丁寧に触れられており、自分の会社で起きている問題を俯瞰しやすくなります。 職場の「なんとなく仕方ない」で流していた部分を、一度ちゃんと理解したい人に刺さる本です。法律を武器にするというより、自分の働き方を守るための地図を手に入れる感覚に近いと思います。
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