
不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ (ハヤカワ文庫NF)
ウォルター ブロック and 橘 玲
早川書房 / 2020-01-23
この本について
社会や経済の話題になると、「どの立場が正しいのか分からない」「そもそも価値観の前提がごちゃつく」と悩むことが多いんですよね。ぼくも同じで、議論を追うほど霧が濃くなる感覚がありました。そんなときにこの本を読んで、世界の見え方が少し整理された気がします。 効いたのは、まず“自由主義”と言ってもリベラルとリバタリアンでは根っこがまったく違う、という当たり前のようで混同しやすいポイント。自分のモヤモヤが「概念の混線」から来ていたんだと気づけました。また、市場の仕組みを道徳ではなく“自発的な取引の積み重ね”として描く視点も、善悪のラベルで物事を判断していた自分には新鮮でした。転売や飢饉の商人といった嫌われ者を題材に、なぜ彼らの行動が価格や資源の調整につながるのかを静かに説明してくれるので、感情ではなく構造で考える練習になる感じです。 さらに、「自由を犠牲にしない平等はない」というような、きれいごとでは片づけられない現実のトレードオフを直視させてくれるのもありがたかったです。読んでいて心地よい本ではないかもしれませんが、社会をどう捉えるかで迷子になっている人には、ひとつの座標軸を渡してくれる一冊だと思います。 自分の“当たり前”を疑いながら社会を考えたい人に刺さる本です。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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