
不寛容論―アメリカが生んだ「共存」の哲学―(新潮選書)
森本あんり
この本について
異なる価値観の人と話すとき、どこまで受け入れればいいのか、逆にどこから線を引くべきなのか。頭では「寛容が大事」と思いつつ、現実の場面ではうまくいかないことが多いですよね。相手の言動にモヤっとしたり、こちらが譲るばかりで疲れたり。その感覚に心当たりがある人には、この本がかなり落ち着いて読めると思います。 印象的なのは、寛容をただの「良い態度」として扱わず、その不愉快さまで直視しているところです。例えば、他人の愚かな行為を放っておく自由がある一方で、民主主義そのものを壊す言動には不寛容でいなければ社会が保てない、という指摘。現実の私たちの迷いと同じように、境界線の揺れを正面から扱ってくれます。また、宗教や価値観の違いが衝突する背景には、人が未知のものに不安を覚えるというごく人間的な理由がある、と丁寧に説明してくれるので、単純な「正しさ」探しから少し距離を置ける感覚があります。 個人的には、「礼節は、敬意がなくても可能」という一文に救われました。好きになれない相手でも、まず振る舞いだけでも整えることで関係が壊れずに済む。その現実的な姿勢が、この本の全体に通底しています。価値観の違う相手とどう向き合えばいいのか悩んでいる人に静かに届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt
寛容論 (光文社古典新訳文庫)
ヴォルテール and 斉藤 悦則

わかりあえない他者と生きる 差異と分断を乗り越える哲学 (PHP新書)
マルクス・ガブリエル, 大野 和基, and 月谷 真紀

ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
御田寺圭

東大教授が挑むAIに「善悪の判断」を教える方法 「人を殺してはいけない」は“いつも正しい”か? (扶桑社BOOKS新書)
鄭 雄一

別冊NHK100分de名著 読書の学校 西研 特別授業『ソクラテスの弁明』
西 研
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要