
スタンフォード大学の共感の授業――人生を変える「思いやる力」の研究
ジャミール・ザキ and 上原 裕美子
この本について
人と話していて、「ちゃんと聞けていない気がする」とか、「相手の痛みに気づいた瞬間、なぜか避けてしまう」とか、そんな自分の反応にモヤっとすることがありませんか。忙しさのせいにしがちですが、実は“共感すること自体がしんどい”と体が判断して避けているだけ、という話をこの本で読んで妙に納得しました。 印象的だったのは、共感は生まれつきの才能ではなく、環境や行動でゆっくり伸びていく力として描かれていたことです。たとえば他人の物語に触れるだけでも、他者の世界に心がうつろう回路が鍛えられるという指摘は、読書好きとしては救われた部分でした。また、人は負担がかかると共感を“避ける”選択をするという研究にも、思い当たる場面が多すぎました。自分を責める前に、そういう仕組みで動いているだけなんだと知るだけで少し楽になります。 さらにこの本は、接触の効果や「誰を身内とみなすか」という視点を通して、偏見や距離感のほぐれ方をかなり具体的に描いてくれます。劇的な変化ではなく、日常のほんの小さな接点が人の心を変えていくプロセスを追っていて、読んでいて肩の力が抜けました。 人間関係の温度調整に悩んでいる人、他人と関わるときの自分の反応をもう少し丁寧に理解したい人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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