
ふたたび嗤う淑女 (実業之日本社文庫)
中山 七里
実業之日本社 / 2021-08-15
この本について
仕事でも人間関係でも、相手の思惑を読み切れずに振り回されたり、自分の中の違和感をごまかし続けてしまうことってありますよね。表向きは平穏でも、腹に一物を抱えているような気配を感じた瞬間に、何を信じていいのか分からなくなる。そんなモヤモヤを抱えている時に、この『ふたたび嗤う淑女』を読むと、ちょっと景色が変わります。 まず、読者が保存している言葉のラインナップを見ると、欺罔、右顧左眄、趨勢、地面師…とにかく人間の思惑のぶつかり合いに敏感な人なんだと思います。この物語は、そうした“裏の動き”を丁寧に描くので、登場人物の一言に潜む温度や、曖昧な沈黙がどう作用するかが手触りとして伝わってきます。正鵠を射るように状況を見抜こうとする主人公たちの姿勢は、私たちの日常にもそのまま持ち込める感覚があります。 そしてもう一つ大きいのは、清新な善悪の分け方ではなく、泥濘のように割り切れない現実がそのまま描かれているところです。悪罵も奸臣も、単なるラベルではなく、人が追い詰められていく過程として理解できてしまう。だからこそ、他人の行動の“端緒”を見逃さない視点が身につく感じがありました。 人の裏表に敏感だけど、決めつけるのも苦手な人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
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