
嗤う淑女 二人 (実業之日本社文庫)
中山 七里
実業之日本社 / 2021-09-15
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんであの人はあんな行動をするんだろう」と分からないまま放置してしまうことがあります。こちらの予測なんて軽々と裏切られると、自分の判断基準まで揺らいでくるんですよね。そういう“人の心の読みづらさ”に疲れているとき、この本の抜粋がやたら刺さる理由がよく分かります。 『嗤う淑女 二人』は、ただの犯罪ミステリというより、“人の欲や倫理がズレたとき、どこまで行ってしまうのか”を淡々と突きつけてきます。手段と目的が逆転していく感覚とか、突出した性格同士の関係が必ずしも蜜月にならないという視点は、現実でも「あるある」と思わされる場面が多いはずです。組織のストレス構造や、欲が倫理を溶かしていく描写も、派手さより“あ、これ現実にもあるやつだ”という生々しさが残ります。 何より効くのは、「他人の心には悪魔でさえ踏み込めない」という一文で、理解不能な相手を“理解不能なまま置いておく”という選択肢が少し許されるところ。分かろうとしすぎて消耗していた人には、肩の力が抜けると思います。 人間の欲やズレた正義に興味がある人、あるいは“説明のつかない他人の行動”にモヤモヤしている人に刺さる作品です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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