
自由研究には向かない殺人 〈自由研究には向かない殺人〉シリーズ (創元推理文庫)
ホリー・ジャクソン and 服部 京子
この本について
ときどき、自分が「正しい選択」をしているのか分からなくなることってありませんか。人の気持ちを傷つけたくないと思う反面、見て見ぬふりをするのも違う気がする。倫理観とか正義感とか、言葉にすると固いけれど、日常のなかで揺れるのはもっと生活感のある迷いなんですよね。 『自由研究には向かない殺人』の抜粋を読むと、ピップがまさにその揺れの中にいます。正しいことをしたい。でもその過程で、誰かを追い詰めてしまうかもしれない。彼女が吐き気を覚えるほど葛藤しながら進む姿が、妙にリアルに感じられるのは、読者も同じように「どこまで踏み込むべきか」を考えた経験があるからだと思います。 この本が効くのは、事件の真相だけではなく、その過程でピップが学んでいく“線引きの難しさ”です。たとえば、記録を取り続けながら「何が関連するのかは終わってみないと分からない」と気づくところ。生き方も同じで、いま見えている正解に固執しなくていいんだな、と少し肩の力が抜けます。また、人を疑う苦しさや、真実を知ることで誰かが傷つく可能性を前にした迷いも丁寧に描かれていて、自分の感情と向き合う練習になるような読後感があります。 「正しさと優しさのあいだで立ち止まりがちな人」に特に刺さる一冊です。ピップが苦しみながらも光を探す姿は、物語としての面白さだけでなく、自分の中の判断基準を見つめるきっかけにもなってくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの53%が集中しています。
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