
「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ (角川新書)
椎名 美智
KADOKAWA / 2022-01-08
この本について
敬語って、正しく使っているつもりでも「なんか違う?」と引っかかる瞬間がありませんか。特に「させていただく」。仕事のメールで多用しながら、これって本当に丁寧なのか、むしろ距離をとりすぎていないのか、と自分でモヤモヤしていました。 この本は、その違和感を言語としてちゃんと説明してくれます。敬語が三分類から五分類に増えた背景や、「させていただく」が謙譲よりも丁重語に近づきつつあるという指摘は、使う側の心理まで踏み込んでいて腑に落ちました。相手に敬意を向けるより、自分の丁寧さを示す“品行の敬語”が求められる社会に変わったからこそ、この表現が広がったという視点もおもしろいところです。距離を近づけたいなら「させてくれる」、遠ざけたいなら「させていただく」という二極化の説明は、実際の会話での使い分けを考えるときにかなり実用的でした。 敬語を「正しさ」で縛るのではなく、「距離をどう扱うか」という道具として見られるようになると、ビジネスメールや電話での表現も少し楽になります。とくに、敬語の判断が毎回しんどい人や、丁寧にしたつもりがかえって不自然になることがある人には刺さると思います。私自身、読んだ後は、「なぜ自分がその言い回しを選ぶのか」を言語化できるようになりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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