
我が友、スミス (集英社文芸単行本)
石田夏穂
集英社 / 2024-03-19
この本について
仕事のことが頭から離れなかったり、気づけば誰かの評価ばかり気にしてしまったり。鍛える時間さえ「これでいいのかな」と迷うこと、僕もよくあります。そんな時に読んで、妙に腑に落ちたのが『我が友、スミス』でした。筋トレ本ではなく、もっと内側の話をしてくる小説です。 この本が効いたのは、まず「強くなるとは、他人を気にしなくなることじゃなく、今やっている一点に沈み込めるようになることなんだ」と具体的に示してくれたところでした。仕事の雑念が差し込んでくるあの感覚に対して、著者も同じように揺れていて、でもジムでの一点集中の手応えを掴んでいく姿が、現実味を伴って響きました。さらに、重量に負けるたびに自分の小ささを知るという描写が、逆に心を軽くしてくれるんですよね。「ああ、別の生き物になりたい」という気持ちも、無茶な願望ではなく、日々の積み重ねの中でじわじわと形になるものとして描かれています。 自分の中の迷いや虚勢をうまく扱えないまま頑張っている人ほど、この本の静かな強さに触れると思います。理想に近づくための派手な劇薬ではなく、生活の中にじっくり染みていくタイプの作品です。こんな人に刺さるはずです。自分のペースで変わりたいと思っている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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