
イノベーションの競争戦略―優れたイノベーターは0→1か? 横取りか?
内田 和成
東洋経済新報社 / 202204
この本について
「技術さえ新しければ何とかなる」と思いながら、実際には企画が刺さらなかったり、プロジェクトが動かなかったりして、どこで間違えたのか分からないまま次の打ち手を探していること、けっこうありますよね。自分もずっと、イノベーションは“発明の勝負”だと思い込んでいました。でも、この本を読むと、その前提そのものがずれていたのかもしれないと感じました。 著者はイノベーションを「これまでにない価値の創造によって、顧客の行動が変わること」と定義します。Zoomやメルカリのように、技術的に特別でなくても人々の生活を変えてしまう例がいくつも登場し、読んでいるうちに「自分は技術に幻想を見ていただけでは?」と少し冷静になります。特に、社会構造や心理の変化といった“ドライバー”を見立て、それを梃子に価値をつくっていくプロセスの説明が実務に落とし込みやすくて、日頃の判断基準が整っていく感覚がありました。 個人的に響いたのは、「発明とイノベーションは別物」という視点です。新しさを追い続けるより、顧客が行動を変えるまで浸透させられるかどうかのほうが本質だと気づくと、目の前の仕事のゴール設定が変わります。自分の企画はどのドライバーに乗っているのか、行動がどこで変わるのか、といった問いが自然と立ち上がってきます。 技術の新規性よりも「人がどう動くか」で迷い続けている人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの52%が集中しています。
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