
薬屋のひとりごと 12 (ヒーロー文庫)
日向 夏、しのとうこ
この本について
人の気持ちに振り回されないようにしようと思うほど、逆に「どこまで踏み込んでいいのか」がわからなくなる時があります。冷静さを保つのは大事だけど、それを理由に距離を取りすぎてしまうと、後からじわっと後悔が押し寄せてくる。そんな揺らぎを抱えたまま日々をやりくりしていると、この巻のいくつかの場面が妙に刺さります。 たとえば、感情に流されないよう努める猫猫に、雀が「それを言い訳にしちゃだめですよぅ」と伝える場面。理屈では立ち回れているつもりでも、行動が伴っていない時の痛さを、やわらかく突かれる感じがあります。あるいは、壬氏が「こんな冗談みたいな容姿より、堅実な才能が欲しかった」と嘆くところ。持っているものと欲しいもののギャップに悩む気持ちは、立場が違っても本質は同じなんだと思わされます。さらに「薬と同じように、神も用法用量を間違うととんでもないことになる」という一文は、善意も能力も使い方次第という、身に覚えのある現実をつきつけてきます。 大げさに人生が変わるような話ではないけれど、自分の癖や弱さと向き合うときに、少しだけ視点をずらしてくれる力がある巻です。人間関係に慎重になりすぎて肩がこる人に特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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