
症例でわかる精神病理学
松本卓也
誠信書房 / 2018-07-05
この本について
日常の中で、人の言動が「なぜそうなるのか」よくわからずに戸惑う瞬間ってありませんか。相手が何を感じているのかつかみきれず、自分の理解力が足りないだけなのかとモヤモヤする。頭では「そんなに単純じゃない」と分かっていても、心が追いつかないまま距離だけが空いてしまう、あの感じです。 『症例でわかる精神病理学』は、そうしたモヤモヤに対して、いきなり解決策をくれるというより、「そもそも人は世界をこんなふうに知覚している」という前提から丁寧に視界を広げてくれる本でした。たとえば、幻聴が「音の異常」ではなく「思考が自分のものとして感じられなくなる」体験だと知るだけで、ニュースで見る症状の印象ががらりと変わります。また、「あるべきものがない」と認識する力そのものが高度な能力だという話は、人が世界をどう切り取っているかを考え直すきっかけになりました。妄想反応が誰にでも起こりうるという説明も、極端な例を“自分とは別世界”と突き放さずに読むための助けになります。 読みながら、自分の中の「わかったつもり」や「説明できない不安」に少しずつ名前がついていく感覚がありました。精神疾患を理解するためだけでなく、人の感じ方の幅を知りたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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