
一勝九敗(新潮文庫)
柳井正
新潮社 / 2006-04-01
この本について
仕事でも副業でも、「こうしたほうがいい気がするのに、周りがついてこない」とか、「頭ではわかってるのに動ききれない」という場面、けっこうありませんか。自分もそこで何度も止まってきました。そんなときに『一勝九敗』を読むと、気持ちが妙に静かになるというか、地に足のついた視点をもらえるんですよね。 読者の方が保存していた抜粋には、柳井正さんが二十五歳で店を任され、従業員がほぼいなくなった状態から、仕入れも掃除も全部やりながら立て直した話がありました。あれを読むと、「覚悟」ってドラマチックな言葉じゃなくて、日々の作業を自分の手で回し続けることに近いんだと気づかされます。また、子ども服ブランドの失敗を、その後のユニクロの基盤につなげていくくだりは、失敗を肯定するのではなく、次の一歩の材料に変えていく実務的な姿勢がリアルです。頭で整理して終わらせず、実際に動いてから考えるという話も、机上で悩みがちな人にはかなり刺さると思います。 大きな戦略の話も出てきますが、読んでいて一番効いたのは「迷いながらでも、自分の手で前に進めるしかない」という、当たり前だけどなかなか腹に落ちない感覚でした。変化の途中にいる人ほど、この本はじわじわ効いてきます。こんな人に刺さると思います。正解が見えないまま、それでも手を動かしたいと思っている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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