
気づかいの壁――「気がつくだけの人」を「気が利く人」に変える、たった1つの考え方
川原 礼子
この本について
人に気をつかいたい気持ちはあるのに、いざ声をかけようとすると「今じゃないかも」とためらったり、気づいたことがあっても「余計なお世話かな」と引っ込めてしまうことってありませんか。私も同じで、気づくまではできるのに、一歩先の行動がなぜか重たくなる瞬間がよくあります。 この本がおもしろいのは、「気づかい=特別な能力」ではなく、「自分がされて嬉しかったことをちゃんと覚えておく」だけで前に進める、とごく現実的な線を示してくれるところです。たとえば、ミスをしたときにまず事情を聞いてほしい、とか、相手が時間をかけて作ったものには丁寧に返すべきだ、とか。どれも誰かにされて嬉しかった経験として、読んだ人が強く反応している部分なんだろうなと思います。立場が上がるほど声をかけづらくなる、という感覚にも寄り添ってくれるので、妙に救われます。 読みながら感じたのは、気づかいって「特別な人だけができる技」ではなくて、日々の小さな観察と、少しの勇気の積み重ねなんだということでした。誕生日や感謝の気持ちも、伝えなければ存在しないのと同じだという話は、胸が痛いけど本当にその通りで、行動に移すきっかけをもらえます。 周りに丁寧に接したいのに、最初の一歩がなかなか踏み出せない人。そんな人には、静かに効いてくる本だと思います。
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