
ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (文春新書)
堤 未果
この本について
食べもののニュースを見るたびに、「自分が信じて選んでいるつもりでも、結局はどこかの大きな力に流されているだけじゃないか」と不安になることがあります。安全とか効率とか言われても、何を基準に考えればいいのか分からないまま、日々の買い物だけが淡々と続いていく感じです。 この本は、そのモヤっとした感覚に“地に足のつく視点”をくれる一冊でした。特に刺さったのは、食の問題が技術そのものではなく、権力の集中や投資マネーの流れで形作られているという指摘です。ゲノム編集魚の登場や巨大企業による種子ビジネスの話も、それを踏まえて読むと見え方がまったく変わります。また、アグロエコロジーや家族農家の取り組みのように、テクノロジーか自然かの二択ではなく、現場の負担を減らしながら生態系と共存する“別の道”が具体的に示されているのも救いでした。どこかの理想論ではなく、実際に地域で成功している事例があることで、自分たちの選択もまだ変えられるんだと思えます。 食の裏側を知りたいけど、ただ不安を煽る話には疲れてしまった人に向いている本です。読み終える頃には、「何を食べるか」よりも「誰がどうやって作れる社会にするか」という問いのほうがしっくりくるようになります。
読書インサイト
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