
西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか (文春e-book)
エマニュエル・トッド and 大野 舞
文藝春秋 / 2024-11-08
この本について
ニュースを見ていて、「どこまでが事実で、どこからが物語なんだろう」とモヤモヤすることが増えました。世界で起きていることを追っているつもりなのに、どうも自分の足元がふわっとする感じがある。そんなときに読んだのが、この『西洋の敗北』でした。 この本が効いたのは、まず“前提の置き方”を変えてくれたところです。ウクライナ戦争についても、欧米の価値観を基点に見る癖が自分の中にあったのですが、著者はあっさりとそれを外し、世界各国がそれぞれ別の論理で動いている現実を突きつけてきます。インドがなぜ距離を取るのか、イランやトルコがどう動くのか…その説明が具体的で、地図の見え方が変わりました。 もう一つは、“西洋の物語が通用しなくなった世界で、自分の思考もアップデートしなきゃいけない”という気づきです。GDPという尺度の限界や、ロシアの農業・エネルギー・原発輸出の台頭など、データで静かに示されると、これまで信じてきた「強い国のイメージ」が揺さぶられます。そこが逆に安心でもあり、判断を一段フラットにできる感じがありました。 国際ニュースを追うたびに「自分は何を基準に現実を見ればいいのか」と迷う人に刺さる一冊だと思います。僕自身、世界の見方を一気に変えるというより、曖昧だった輪郭が少しはっきりした、そんな読後感でした。
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