
植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間 (SB新書)
稲垣 栄洋
SBクリエイティブ / 2023-07-05
この本について
最近、目の前の仕事に追われていると、自分がどこまでを「自分」と呼んでいいのか、ときどきわからなくなることがあります。役割なのか、中身なのか、境界線が曖昧なまま日々を回している感じです。そんなときにこの本を読むと、植物たちの「そもそも境界がゆるい生き方」に少し救われるところがありました。地上では二本に見えるタケが、地下では一つにつながっているように、世界の見え方は案外あてにならない。そう思えるだけで、肩に入っていた力が抜けました。 読んでいて特に効いたのは、生命のバトンリレーの話です。永遠でいるために「死」を発明した、という視点は、生き急ぐ気持ちを一度立ち止まらせてくれます。変わっていくことや、壊れていくことを必要以上に恐れなくていい。むしろ更新し続けることが生き物の基本動作なんだと腑に落ちました。あるいは、分類は人間が便宜的に決めただけ、という説明も、物事を一つの枠に押し込んで悩んでしまう自分にはちょうど良い風穴になりました。 植物の話をしているようで、結局は「生き物としての自分」をやさしく調整してくれる一冊です。境界の揺らぎとか、変化との付き合い方にモヤモヤしている人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
読書の順序
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