
ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法 (KS科学一般書)
野田俊也
講談社 / 2023-06-01
この本について
仕事でも日常でも、相手の出方を読み違えて後から「あれ、もっと別のやりようあったよな…」と悩むことがよくあります。自分の選択が最善だったのか、そもそも何を基準に判断すべきだったのかが曖昧なまま動いてしまう感じです。ボードゲームでも同じで、慣れていないゲームだと、まともなプレイに到達する前に思考が追いつかなくなりがちです。 この本を読んで印象的だったのは、「余分なディテールを削ぎ落として構造を見る」という姿勢が、ゲームの話に見えて、実は現実の判断にもそのまま効いてくるところです。初見のゲームのルールを見ただけで流れを予測する考え方は、相手の行動や自分の選択肢を一段抽象化して整理する感覚に近くて、判断に迷ったときの土台が少し固まる感じがしました。もう一つは、相手がいるゲームでは“最適化”だけでは済まない、という当たり前のようで見落としがちな視点です。相手の戦略への最適反応が重なったところに均衡がある、という考え方に触れると、目の前のやりとりの見え方が変わります。 ゲーム理論を本格的に学ぶというより、「どうも人との駆け引きで消耗しがち」「選択肢の多さに振り回されやすい」と感じている人にしっくり来ると思います。ボードゲームという入り口ですが、読み終える頃には、自分の思考の癖まで少しだけ読み解ける一冊でした。
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