
この夏の星を見る (角川書店単行本)
辻村 深月
KADOKAWA / 2025-06-17
この本について
最近、好きなことと現実の折り合いをどうつければいいのか分からなくなる時があります。仕事に直接つながらないことをしていていいのか、と焦ったり、役に立たない時間を過ごしてしまったような気がしたり。でも、心のどこかでは、本当はその「好き」を手放したくない。そんなモヤモヤを抱えたまま日々を回している人は多いと思います。 『この夏の星を見る』は、そのモヤモヤに静かに寄り添ってくれる物語でした。特に、好きなことが「向いている」「役に立つ」と結びつかなくても、その好奇心ごと大人になっていいと言われる場面にすごく救われます。役に立つかどうかを先に考えるクセがついてしまった自分に、そうじゃなくてもいいんだと呼吸を取り戻させてくれる感じがあります。また、コロナで「失われた時間」と言われがちなあの期間にも、それぞれの生活や経験が確かにあったと語られるところも印象的で、自分の過去の数ヶ月を少し優しく見直せました。 キャラクターたちが「自分たちの意思でやる。楽しまなきゃ意味ない」と言う場面もあって、効率や成果より、まずは自分がどう感じたいのかを置き直すきっかけになります。好きなことをやる気持ちも、人との関係で揺れる気持ちも、全部そのまま抱えていていいと思わせてくれる物語です。 向いているか分からなくても「好き」を捨てたくない人に、静かに効きます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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