
カメラは、撮る人を写しているんだ。
ワタナベアニ
ダイヤモンド社 / 2024-01-30
この本について
写真を撮るとき、「なんか平凡だな」「自分の写真に芯がない気がする」と感じることがありませんか。機材のせいにしてみたり、撮り方を検索しても、いまいちしっくり来ない。結局、何をどう撮りたいのか自分でもよく分からないままシャッターだけ増えていく、そんなモヤモヤに覚えがあります。 この本が面白いのは、技術よりもずっと手前にある“撮る人そのもの”に視点を向けているところです。なぜ自分はその瞬間を選んだのか、なぜ他でもないこの一枚を撮ったのか。その「なぜか」を言葉にできるかどうかが、写真の必然性を決めるんだという考え方に触れると、自分の中の基準が静かに動き始めます。また、全体をそのまま記録するのではなく、「自分はどこが好きなのか」という部分に寄ってみる感覚は、撮るたびに世界の見え方が変わっていく体験に近いものがあります。 カメラはただの道具で、結局は自分の中にある「愛するものへの衝動」が写真を形づくる。そう言われると少し照れますが、撮りたくないものを切り捨てる勇気や、自分の視点を選び抜く意識は、写真だけじゃなく生き方にもそのまま響くものだと思います。 「自分の写真がなぜ物足りないのか言葉にできない人」に、とくに静かに効いてくる一冊です。
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