
嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~ (光文社新書)
山本 圭
光文社 / 2024-02-15
この本について
他人の近況を見て、別に嫌いな相手じゃないのに心がざわつくことがあります。自分だって頑張っているはずなのに、なぜか比較の沼に足を取られる。理屈では「他人の幸福は自分と関係ない」と分かっていても、身体がそうは反応してくれない。このあたりのモヤモヤは、正直ぼく自身ずっと扱いに困ってきました。 『嫉妬論』がおもしろいのは、嫉妬を「個人の性格」じゃなくて、もっと広い社会の構造や距離感の中で捉え直すところです。たとえば、格差が縮まっているのに嫉妬が増える paradox の理由や、SNSが比較のスイッチを無制限に押してくる仕組みが丁寧に説明されると、自分の感情が“個人的な欠点”ではないように思えてきます。また、嫉妬と憧れの違いをゆっくり整理してくれるので、「これは前に進める感情か、それとも足を引っ張る方向か」を見分けやすくなるのも助かりました。 さらに、著者が示す「他者の見せる幸福をどう受け止めるか」という視点は、行動レベルで効きます。完璧に見える相手ほど、よく観察すると意外な弱さがある。そういう現実的なバランス感覚が、嫉妬の衝動を少しだけ遠くへ押しやってくれる感覚がありました。無理に前向きにならなくても、感情の位置づけが変わるだけで楽になる瞬間があります。 他人の成功に反応してしまう自分を、もう少し穏やかに扱いたい人に刺さる一冊です。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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