
女の国会 (幻冬舎単行本)
新川帆立
幻冬舎 / 2024-04-17
この本について
仕事でも生活でも、理不尽な構造にぶつかるときってありますよね。頑張っても報われない感じとか、「自分の立ち位置はここでいいのか」とふと立ち止まってしまう瞬間とか。私も同じで、どう向き合えばいいのか分からなくなることがあります。 『女の国会』を読んで印象に残ったのは、登場人物たちが“正しさ”よりも“生き延びるための現実”と向き合う姿でした。たとえば、女性性をどう扱おうが批判される構造の中で、それでも立ち続けようとする高月の姿や、戦うことを避け続けてしまう自分へのざらりとした自己嫌悪が描かれる場面。読んでいて他人事にできませんでした。もうひとつは、人とつながる力の描き方です。利害が違っても、憎めない強さやしぶとい明るさで関係をつくっていく高月の姿を見て、現実を変えるのは正論よりも「粘り」と「人間味」なのかもしれないと思いました。そして、周囲の扱いによって自分のかたちが決まってしまう苦しさ。その感覚に覚えがある人は多いのでは。 この本は、理不尽に押しつぶされそうなときに、一度立ち止まって「それでも自分はどう動きたいのか」を考えるきっかけになる物語だと思います。特に、今の環境で“うまく溶けこめているふり”に疲れている人には刺さるはずです。
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