
アフリカ哲学全史 (ちくま新書)
河野哲也
この本について
仕事で判断に迷うときや、日常のなかで「正しいって何だろう」とうっすら考えてしまう瞬間ってありますよね。効率とか有効性みたいな基準で物事を決めることに慣れすぎていて、気づけば自分の考え方もその軸に寄ってしまっている感じ。そんなときに、この本の抜粋が保存されている理由がよくわかるなと思いました。 『アフリカ哲学全史』は、単に知らなかった地域の思想を紹介する本ではなく、そもそも「哲学とは何をしようとする営みなのか」をもう一度掘り起こしてくれる一冊です。技術は有効性で測られるけれど、哲学は真偽や善悪で問われる、という一文に触れると、普段の判断基準がいかに偏っていたかに気づかされます。また、日本ではアフリカ哲学という枠組みそのものがほぼ扱われてこなかった、という指摘も、世界の見方がどれだけ限られているかを静かに浮かび上がらせます。ウブントゥの「人間性」という意味合いに触れるあたりも、個人単位の成功や成果ではなく、人と人の関係性から考える視点を取り戻させてくれる感じがありました。 派手な自己変革を約束するタイプの本ではありませんが、思考の筋肉が固まってきたなと感じるときに、ゆっくり軸を整えてくれる本です。自分の判断の基準をもう一度見直したい人に刺さると思います。
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