
連続殺人鬼カエル男 完結編
中山七里
宝島社 / 2024-11-08
この本について
最近、何をしていてもどこか気持ちが沈んだまま進まないときがあります。状況が悪いわけでもないのに、世界を少し斜めから見てしまうような感覚というか。この本を読んだ人が「厭世感」という言葉を拾っていたのを見て、同じところにひっかかる人は多いんじゃないかと思いました。 『連続殺人鬼カエル男 完結編』は犯罪小説としての緊張感はありつつも、ただ残酷さを描く作品ではありません。むしろ、生きていくうえでどうしても抜けない陰りとか、「正しさ」を追いかけても届かない距離感を丁寧に扱っています。「中らずと雖も遠からず」という言葉が残るのは、自分の選択は完璧ではなくても、まったく的外れでもないという、あの微妙な手応えを代弁してくれるからだと思います。 物語の中では、登場人物たちが自分の正義や信念に迷いながら、それでも次の一歩を探そうとします。その揺れ方が現実的で、こちらの生活にも重ねやすい。仕事で判断に迷ったときや、人間関係で自分の立ち位置が掴めなくなったときに、綺麗ごとではない視点の転換を与えてくれるはずです。 派手な答えよりも、自分の中にくすぶっている違和感と向き合いたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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