
貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」 (幻冬舎新書)
鈴木大介
幻冬舎 / 2024-11-27
この本について
仕事でも日常でも、急に判断が鈍ったり、人とのやりとりがうまくいかなくなったりして、「自分ってこんなに無能だったっけ」と落ち込むことがありませんか。頑張っているつもりなのに空回りして、周りの基準に合わせられない自分を責めてしまうあの感じです。 この本は、そうした「できない自分」への違和感を、根性や気合いではなく“脳の疲労”という視点から説明してくれます。著者自身が脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害を抱えたことで、取材してきた貧困当事者の「必死に頑張ってもできない」感覚を同じ身体で理解していく流れがとてもリアルで、読んでいて胸に刺さる場面が多いです。たとえば、できる日とできない日の差に自分でも理由がつけられないこと、単純な事務手続きが極端にしんどくなること、そしてそれを周囲が「怠け」に見てしまう構造。読みながら、自分の中で曖昧だった“しんどさの正体”が言語化されていく感覚がありました。 また、著者が繰り返し語る「適度な依存」の重要さも印象的です。頼ることが甘えではなく、残っている力をちゃんと使うための戦略だという視点は、実際に日々の仕事でキャパオーバーを感じている人ほど実感しやすいと思います。 「頑張っているのに、なぜか働き続けるのが難しい」と感じている人に特に届く本です。自分を追い詰める前に、いま起きている不自由を別の角度から見直す手がかりになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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