
西洋の敗北と日本の選択 (文春新書)
エマニュエル・トッド
文藝春秋 / 2025-09-19
この本について
国際情勢のニュースを見ていて、「何が本質なのか」がだんだん分からなくなる時があります。米国とロシアの言動が真逆のように見えたり、GDPの数字だけでは各国の力関係が読み取れなかったり。頭の中でつじつまが合わず、判断の軸が揺れる感じです。僕自身も同じで、表の報道だけ追いかけても視界がクリアにならないまま時間だけが過ぎていました。 トッドの『西洋の敗北と日本の選択』は、そのモヤモヤに少しだけ輪郭を与えてくれました。米国の「衰退」を単なる政治批判ではなく、技術・産業・道徳といった基盤の変化から捉える視点。GDPよりも「リアルな生産力」を重視する分析。さらに、ウクライナ戦争がどの国の意思でどの方向に動いているのか、一般的な語られ方とは違う角度から説明していきます。読みながら、自分が前提にしていた地図そのものが古いのかもしれないと思わされました。 もちろん、この本の主張に丸ごと乗る必要はありません。ただ、「なぜ今の世界がこう見えるのか」を考え直すきっかけにはなりますし、日本がどこに立ち、どう距離を取るのかを個人として整理する助けにもなります。特に、米国を無条件に信頼していいのかと揺れている人には刺さるはずです。
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