
自省のすすめ ――ひとりで考えるレッスン (ちくま新書)
岸見一郎
筑摩書房 / 20251210
この本について
仕事でも人間関係でも、いざ決める段になると足が止まってしまうことってあります。悩んでいるようで、実は「決めるのを延ばしているだけなんじゃないか」と気づいてしまうあの感覚。さらに、誰かの意見を聞けばそちらが正しい気がして、でも結局動けないまま日が過ぎていく。そんな自分に薄々疲れている人は多いと思います。 岸見一郎さんの『自省のすすめ』は、そうした停滞の裏側にある思考のクセを静かに照らしてくれます。何でも早く結論を出そうとする癖が、実は大事なものを見落とさせていること。悩むのを続けるのは「決めたくない」からで、決めるためには自分と距離をとりながら対話する必要があること。そして、本との出会いが他者との対話と同じくらい、自分の考えを揺らしてくれるということ。読んでいると、すぐに前向きになるというより、まず「自分の思考の位置」が少しだけ分かるようになる本です。 特に刺さるのは、他者に生かされているという視点や、感情の目的を見つめ直す大切さです。怒りも不安も、ただ湧くものではなく「何を達成したいのか」という意図がある。その意図を丁寧に見れば、次の行動の選び方も変わっていく。こういう現実的な視点が、この本の効き目だと思います。 自分の思考をいったん疑いたい人、迷いの根っこをもう少し正しく扱いたい人に静かに届く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの70%が集中しています。
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