
アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)
岸見一郎
この本について
人間関係でつまずいた時って、「過去のせいなのか、性格のせいなのか、どこから手をつけたらいいのか」が分からなくなることが多いですよね。原因探しをすればするほど霧が濃くなっていく感じもあって、僕もそのループに何度もハマりました。この本を読んで強く感じたのは、アドラーが向き合っていたのは“人間一般”ではなく、目の前の一人の人だったという姿勢です。そこに救われる人は多いと思います。 本書が効いてくるのは、まず「症状や行動を過去の出来事で決めつけず、目的や意図の側から読み直す」という視点をくれるところです。自分がなぜ足が止まるのかを、“原因”ではなく“役割”で捉えると、不思議と次の行動が見えてきます。また、共同体感覚を理想として掲げつつも、それを魔法の答えのように扱わない点も現実的です。評価に依存しない価値の置き方や、他者への貢献が自分を支えるという考え方が、日常の対人関係にそのまま落とし込めます。 さらに、個人を部分に切り分けず全体として扱う姿勢や、「これまでどうだったかより、これからどうするか」を軸にするところが、原因論に疲れた人にはとても静かに効きます。誰かを操作するためでも、自分を責めるためでもなく、ただ自分の選び方を丁寧に考えるための心理学として読めます。 特に、過去や環境のせいにしたくなる瞬間が増えている人にはしっくりくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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