
アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫)
佐々木正人
講談社 / 2008-03-10
この本について
仕事でも日常でも、「自分の判断ってどこまで主体的なんだろう」「結局、環境に振り回されてるだけじゃないか」と思う瞬間がけっこうあります。行動の理由を言語化しようとしても、どうにも説明がつかない感じが残る。そんなモヤモヤに、この本はけっこう静かに効いてきます。 読んでみて驚くのは、「行為って、刺激に反応してるだけじゃない」という指摘が、ミミズの例みたいな地味な観察から丁寧に立ち上がっていくところです。環境にある“使えるもの”を生きものが探し続けているという視点に触れると、自分の行動も、もっと周囲との相互作用として見たほうがいいのかもしれないと思えてきます。姿勢ひとつ取っても、止まった形ではなく、環境に触れ続けるための動きそのものだという説明には、普段の疲れ方の理由まで腑に落ちました。 さらに、脳が世界の地図をつくっているというより、全身が環境とつながり続ける仕組みの一部にすぎないという話は、思考や判断を“内側の問題”だけで片付けようとしていた自分にとって、ちょっと救いでもありました。世界にある意味を拾いにいく、そのプロセス自体が知覚だと考えると、行動の選び方に余白が増える感覚があります。 「最近、自分の行動の理由がよくわからない」という人にはとくに刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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