
営業と詐欺のあいだ
坂口孝則
幻冬舎
この本について
営業に関わっていると、「どこまでが誠実で、どこからが押し売りなのか」みたいな線引きでモヤモヤすることがありませんか。お客の懐に踏み込みすぎても嫌われるし、踏み込まなければ一向に距離が縮まらない。その加減がずっと分からないまま、私も現場で何度も失敗してきました。 『営業と詐欺のあいだ』は、その曖昧な境界線を一度きちんと見つめ直すきっかけになる本でした。読んでいて刺さったのは、著者がテクニックを持ち上げるのではなく「人はこういう心理で動く」という冷静な構造をただ淡々と描いているところです。たとえば、お客が理屈ではなく感情で決めていること。時間を使うほど買わなかった理由が言いにくくなること。相手の属性・センス・敵を知ると信頼の距離が縮まること。こういう現実的な視点は、こちらの立ち振る舞いを変える手がかりになりました。 私自身、売り込みされて「この人、妙に私の事情を分かってくれているな」と感じた瞬間を思い出しつつ、それが実は“誰にでも刺さる共通の悩み”だったと後から気づいて、妙に納得した場面もあります。この本は、そういう“自分の思い込みのほぐれ方”が何度か起きるのが良かったです。必要以上にテクニックを信じ込むのでもなく、逆に恐れるのでもなく、「人間ってこう動くよね」とフラットに受け止められるようになります。 営業に疲れてきた人や、人を説得する役割に違和感を抱えている人には、特にしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの53%が集中しています。
読書の順序
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