
航路(上)
コニー・ウィリス、大森 望
東京創元社 / 2015-11-20
この本について
日常でも仕事でも、相手の言葉の裏を読み違えて「この人、本気なのか冗談なのか…」と不安になることがありませんか。真面目に考えたいのに、相手の温度感がつかめずに自分だけ空回りしてしまうあの感じ。僕もわりとよくあります。 『航路(上)』を読んでいると、その“噛み合わなさ”が極端な形で描かれていて、逆にこちらの思考が整理されるんです。臨死体験を「つくる」「いやシミュレートだ」と言い合う場面や、冗談の通じないビリーバーたちとのやりとりを追っていると、人が何を信じ、どこで恐れ、どこから誤解が生まれるのかが少しずつ見えてきます。現実では避けたいような緊張感の中で、登場人物たちが言葉を探し続ける姿は、こちらの「どう向き合えばいいのか」という悩みにそのままつながります。 特に効くのは、相手の思い込みが強いときほど、こちらがどう距離を取るべきかが物語を通して自然に掴めるところです。もうひとつは、自分が怖さや不安に巻き込まれそうになったとき、いったん立ち止まって状況を観察する癖がつくこと。SF的な設定なのに、妙に日常に持ち帰れる気づきが多いんですよね。 「噛み合わない会話に疲れやすい人」に、じわっと刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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