
化物語(上)
西尾維新 and VOFAN
講談社 / 2018-06-15
この本について
人間関係で「相手の考えてることが、どうしても拾えない瞬間」ってありますよね。合わないわけじゃないけど噛み合わない。相手の言葉が急に鋭く聞こえたり、逆にこちらの受け取り方が歪んでいる気がしたり。頭では整理できないのに、心だけ反応してしまうあの感じです。僕もよくそこで足が止まります。 『化物語(上)』を読んでいて思ったのは、戦場ヶ原と阿良々木の会話のズレやすれ違いそのものが、そういう「うまく扱えない感情」をそのまま描いているということでした。毒舌が暴力にもなるし、好意がまっすぐじゃない形で出てくるし、冷静でいたいのにコンディション次第で物事の意味が変わってしまう。抜粋にもあるような極端な言葉の応酬は、現実ではなかなか口にしないけれど、内側でなら誰もが一度は抱くものだと思います。 この物語が効いてくるのは、そんな複雑さを「理解しようとすること自体が難しい」という前提で描いてくれるところです。相手の正体を完全に掴むのではなく、距離を測り直す感じに近い。終わった後、少しだけ人との会話に幅が出たり、自分の感情の扱い方が前より雑でなくなる。そういう変化が静かに残ります。 こんな人に刺さると思います。言葉の行き違いで自分を責めがちな人。自分のズレを、もう少し丁寧に見つめてみたい人。そんなとき、この物語のやり取りはけっこう助けになります。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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