
翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫)
永井均
筑摩書房 / 2007-08
この本について
ふつうに生活しているだけなのに、たまたま起こった出来事の意味を深読みして疲れたり、逆に「こんな世界で何を信じればいいんだろう」と足元がぐらつく瞬間ってありませんか。考えすぎだとわかっていても、モヤモヤは勝手に湧いてきますよね。僕もそうで、仕事でも日常でも説明できない違和感にずっと引っ張られ続けています。 永井均『翔太と猫のインサイトの夏休み』は、そのぐらつきそのものを扱う本です。偶然には意味がないのに「意味のなさにこそ意味がある」と言われるような、あの一瞬の感覚をそのまま言葉にしてくれる。世界がほんとうにあるのか、僕らはそもそも何を知れるのか、といった大きな問題を、小難しい理論としてではなく、自分の体験として考え直すきっかけになります。懐疑に引きずられてしまうとき、そもそもその質問自体がずれている可能性を示してくれるところも、この本の強みだと思います。 読み終えると、世界を「信じ込む」でも「疑い続ける」でもなく、自分が立っている場所をやっとまともに見られるようになる感覚があります。哲学を武器にしたいわけじゃなくて、ただこの世界で生きていく足場を少しだけしっかりさせたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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