
ヴィゴツキー入門 (寺子屋新書)
柴田義松
この本について
子どもでも大人でも、「教えるって何なんだろう」「相手の成長にどう関われるんだろう」というモヤモヤは尽きないですよね。自分の経験を押しつけるわけにもいかないし、かといって放っておけば勝手に伸びるわけでもない。このあいだも、人に説明しながら「結局、自分は相手の何を手助けできているんだろう」と考え込んでしまいました。 『ヴィゴツキー入門』を読んで腑に落ちたのは、成長は“本人の中だけ”で起きるのではなく、“環境と協同のなかで起きる”という視点でした。模倣や協同を通じて、人は自分一人では届かないところへ手を伸ばせる。教師でも上司でも親でも、直接「変える」のではなく、まわりの環境を組織し、少し背伸びした行動ができる場をつくるのが役割なんだとわかって、肩の力が抜けました。また、経験と社会的な道具(特に言語)が心理発達を媒介するという話は、普段のコミュニケーションの意味を捉え直すきっかけにもなります。 「相手の成長にどう関わればいいのか」「教えようとすると空回りする」という人にはしっくりくると思います。自分の振る舞いを変えるというより、相手が新しいことを“できてしまう”環境をどう作るかを考える本です。
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