
トカトントン
太宰 治
Google Play Books / 2008-04-02
この本について
最近、何かやるたびに「これって意味あるのかな…」と急に白けたり、やる気のスイッチが落ちる瞬間ってありませんか。頑張ろうとした矢先に、どこかでトカトントンと釘を打つような音がして、気持ちがスッと冷めるようなあの感覚。頭では前に進みたいのに、心だけが置いていかれるような日って、誰にでもあると思います。 太宰治の「トカトントン」を読むと、その“急にばからしくなる瞬間”を、まるでそばで見ていたかのように言語化してくれている気がします。社会運動に熱くなれず、仕事にも誇りを持てず、何かに感激しようとしてもすぐに幻滅してしまう主人公。その白々しい感覚が、自分でもうまく説明できなかったモヤモヤと重なるんですよね。そして、太宰はその状態を否定しません。ただ、逃げ続けることでますます自分がくだらなくなっていく感じや、勇気より理屈に寄ってしまう弱さを、妙に正直に描いてくれます。 読んでいると、「やる気が出ない自分」を叱るでもなく、「前向きになれ」と鼓舞するでもなく、「そういう時期ってあるよな」と隣でつぶやかれているような距離感があります。特に、理想も名誉もなく、それでも走りたくて走る駅伝の話が、無報酬の行為に残るわずかな熱のようなものを思い出させてくれるはずです。 何かを始めたい気持ちはあるのに、現実を見ると心がしぼむ人に、そっと刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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