
聖の青春 (角川文庫)
大崎 善生
KADOKAWA / 2015-06-20
この本について
仕事でも人生でも、努力しているつもりなのに「自分はまだ全然足りていない気がする」と焦ったり、他人の痛みに寄り添いたいのにどこか限界を感じたり。前に進みたいのに、うまく気持ちを扱えない日ってありますよね。僕もその一人です。 『聖の青春』を読むと、そうしたモヤモヤに少しだけ呼吸の場所が生まれます。村山聖の生き方は、強さとか根性の話ではなく、むしろ「弱さを抱えたままどう立ち上がるか」という視点をくれるんですよね。病気そのものを切り離せない自分として受け止めながら、それでも将棋に向かっていく姿勢は、環境や体調を嘆く前に、今日の自分が何に向き合えるかを静かに問い直させてくれます。また、人の痛みは完全には分からないという距離感を持ちながら、それでもできる限り助けようとする彼の姿に、「正しいこと」よりも「どう在りたいか」を考えさせられました。 そしてもう一つ、彼の生活は派手さがなく、同じことを淡々と続ける積み重ねでした。その繰り返しの中からしか成長は生まれない、という感覚は、成果ばかり追って空回りしがちなときに地に足を戻してくれます。 自分の弱さや限界とどう付き合えばいいのか悩んでいる人に、とても静かにしみてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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