
教養は「事典」で磨け~ネットではできない「知の技法」~ (光文社新書)
成毛 眞
この本について
知らない分野に出会ったとき、「どこから手をつければいいのか分からないまま放置してしまう」こと、けっこうありませんか。検索すれば何でも分かるはずなのに、そもそも正しいキーワードが浮かばず、調べる前に気持ちが萎えてしまう。自分もよくそこでつまずきます。 この本が面白いのは、その行き詰まりを力技で突破するのではなく、視点を少しずらしてくれるところです。事典や図鑑は、開いた瞬間にすでに情報がそこに置いてあるので、キーワードを知らなくても入っていける。偶然めくったページから知らなかった世界につながっていく感じが、検索では得られない小さな発見になるんですよね。そして「字引学問くらいで十分」という考え方も救われます。専門家になる必要はなく、素人だからこそ楽しめる段階がちゃんとあるんだと。 もうひとつ刺さったのは、「将来なりたい自分を棚に並べておく」という考え方です。本棚は自分の理想像の集積場で、その中に事典があっていい。むしろ、知らない世界へ出入りするための入り口として機能する。日常でちょっと視野が狭くなっているとき、この発想はけっこう効きました。 新しい分野に踏み込むとき、最初の一歩がいつも重い人にとっては、かなりしっくりくる一冊だと思います。
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