
「明治」という国家
司馬 遼太郎
NHK出版 / 2018-01-25
この本について
仕事でも日常でも、「正しいことを言っているのに動かない」「常識的な案ほど人を動かさない」という場面ってありますよね。頭では分かっているのに現場は別、というあのズレにモヤっとしていたときに読み返したのが『「明治」という国家』でした。 この本が効くのは、まず、動きの原動力って必ずしも理屈じゃないと気づかせてくれるところです。開国の正しさより、攘夷という“強い酒”が人を走らせた、という話は、そのまま現代の組織にも置き換えられます。正しい水よりも、動かすための熱量が要る場面がある。分かっていたようで、腑に落ちます。 もうひとつは、物事の構造をどう捉えるかの視点をくれる点です。徳川家を「大名同盟の盟主」と見るだけで、幕末の力関係の読み方がガラッと変わります。目の前の組織でも、肩書きより“実質的な位置づけ”を見たほうが動きが理解しやすい、という感覚に近いです。 そして、歴史という割符の半分だけを作者が書き、残り半分を読む側が埋めるという姿勢も、いま迷っている自分たちに寄り添ってくれます。正解を与えるというより、「どう読むか」を問われる読書体験です。 強い物語が必要なときや、組織や時代の構造の“見え方”を変えたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
読書の順序
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