
「好き嫌い」と才能
楠木 建
東洋経済新報社 / 2016-04-22
この本について
仕事で「これ、本当に自分がやる意味あるのかな」とか、「好き嫌いで動くなんてワガママなんじゃないか」とか、そんなモヤモヤを抱えたまま日々を過ごしている人は多いと思います。僕自身も、何かを選ぶたびに「逃げてないか」「でも好きで選んでいいのか」と揺れ続けてきました。 『「好き嫌い」と才能』を読んで刺さったのは、好き嫌いを“判断基準にする”というより、「向き合わざるをえない壁と、どう付き合っていくか」が丁寧に語られているところです。逃げられない壁が来たら真正面からやる。競争が激しくて勝てない場所には無理に突っ込まない。自分の得意なパターンを仕事に持ち込む。こういう、日々の小さな選択に落とし込める視点が多いんですよね。才能って特別な光じゃなくて、「この人にはかなわない」と周囲に思わせるような、長く積み重ねてきた得意の延長にあるという話も、肩の力が抜けました。 そしてこの本は、好き嫌いを免罪符にする話ではなく、「本当に好きなことはめったに変わらないし、だからこそ長く続けられる」という、地に足のついた考え方を示してくれます。努力を気合でやるのではなく、続けられる形に“娯楽化”していく発想も、仕事の続け方に悩んでいる人にはヒントが多いはずです。 自分の「これは嫌だ」「これは向き合いたい」という感覚をもう少し信じてみたい人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
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