
「好き嫌い」と経営&「好き嫌い」と才能【合本版】
楠木 建
東洋経済新報社
この本について
仕事の判断で迷ったとき、「結局なにを基準に決めればいいんだろう」と立ち止まることが多いですよね。正しさで選ぶべきか、効率か、周りの期待か。頭では比較しているつもりでも、実際の行動になるとブレる。僕自身もずっとそのループにハマりがちでした。 この本を読むと、その基準を「好き嫌い」という、ごく人間的な感覚に戻していいんだと腹落ちしてきます。たとえば、リサーチを“未来を当てる道具”としてではなく、自分が信じた方向がちゃんと動いているかを確かめるものだとする視点。あるいは、組織はトップの好き嫌いが文化となり、そこから会社の“局所的な良し悪し”が生まれるという話。どれも、日々の仕事でモヤモヤしがちな「これでいいのか」という迷いに、静かに軸を置いてくれるんです。 もうひとつ刺さるのは、“成果が出るまでの長い時間”にどう耐えるかを、精神論ではなく「努力の娯楽化」という仕組みで説明しているところ。成果が出ない時期をどう扱うかって、ほとんどの人が悩む部分だと思うのですが、ここは妙に救われました。誰かの正解に寄りかかるのではなく、自分が夢中になれる状態をどう作るかに向き合えるようになる感じです。 組織の中で判断軸が揺れやすい人、自分の“好き嫌い”を仕事にどう結びつければいいかわからない人には、とても静かに効く本だと思います。
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