
サイバースペースはなぜそう呼ばれるか+ (河出文庫)
東浩紀
河出書房新社 / 2011-03-04
この本について
日々ネットに触れていると、「自分はいま何を信じているんだろう?」みたいな妙な落ち着かなさが出てきませんか。画面の向こうの相手が誰なのか、本当はどうでもよくなっている自分に気づく瞬間もあるし、気づかないようにして流しているときもある。僕もずっとその違和感を言語化できずにいました。 東浩紀『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか+』は、そのモヤモヤを「空間」という隠喩から読み解いていきます。サイバースペースは物理的には存在しないのに、なぜ私たちはそこを“場所”として感じてしまうのか。スクリーンの背後よりも画面そのものを信じてしまうのはなぜなのか。読んでいて驚いたのは、それが技術の問題というより、私たちの側の“受け取り方”の変化として説明されている点でした。セカンドライフのようなサービスが失速した理由も、「空間として想像したい」という欲望の行き先として見直されていて、単なる歴史の回顧では終わらない視点が続きます。 個人的には、ネット上の相手を属性ごと信じてしまう自分の癖や、情報を“場所”として扱ってしまう思考のクセに気づかされました。自分の世界の見え方そのものを問い直したい人にとって、これは静かに効く本だと思います。こんな人に刺さるのは「ネットの居心地のよさと不気味さの両方に覚えがある人」。読後に、いつもの画面が少し違って見えます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの49%が集中しています。
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