
ファイナンスの哲学
堀内 勉
ダイヤモンド社 / 2016-07-14
この本について
お金やファイナンスの話に触れるたびに、「結局これは人間の営みとどうつながっているんだろう」とモヤっとすることがよくあります。数字は追えるし指標も理解できるのに、どこか空虚さが残るというか、仕事として扱うほど人間らしさが抜け落ちていく感じがあるんですよね。 『ファイナンスの哲学』は、その違和感をいったん正面から受け止めてくれる本でした。貨幣を「モノ」ではなく「譲渡可能な信用」という社会的な技術として語ったり、経済学が人間の行動や倫理からどんどん離れていった経緯を辿ったり、企業価値の計算式の裏側にある前提を見直したりと、数字と人間の橋渡しを丁寧にやってくれます。ファイナンスを広義に捉える視点に触れると、普段の「判断の根拠」が少しだけ立体的になります。 読んでみて思ったのは、財務指標が急に優しくなるわけではないけれど、自分が何を大事にして判断しているのかを言葉にしやすくなるということです。企業のバランスシートを読むときも、投資のリスクを考えるときも、ただ数値を追うだけの作業から少し離れられます。 数字と倫理、人間と金融のあいだで揺れている人にとって、静かに効いてくる一冊だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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