
しぐさの民俗学 (角川ソフィア文庫)
常光 徹
KADOKAWA / 2016-09-24
この本について
最近、誰かのしぐさに理由のわからない違和感を覚えたり、自分でも説明できない「なんとなく嫌」「なんとなく落ち着く」に振り回されることがあって、正直もやっとしていました。言葉ほど意識されないのに、動作や態度だけは妙に記憶に残る。そういう“身体の反応”の背景を知りたくて読んだのがこの本でした。 読んでみると、昔の人が息を吹きかけたり、覗き見るのを禁じたり、夜の一声に応じなかったりする理由が、単なる迷信ではなく「人がどう危険を理解し、どう関係性を調整してきたか」という生活の知恵として積み重なっていることが見えてきます。霊柩車で親指を隠す動作や、ノックの一回・二回で感じる差まで、ぜんぶ“説明できないはずだったはずの感覚”にちゃんと根があったのだと気づかされました。 しぐさは言葉より無意識に出るものだから、むしろ変わりにくい。その視点をもらってから、人の振る舞いを観察するときの解像度が少し上がった気がします。相手が何者かを見極めようとする昔話の「覗き見る」場面にも、人間が関係を整えようとする本能が表れているんだなと。 日常の小さな動作の裏にある、人の心のクセを知りたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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