
横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)
柞刈湯葉 and 田中 達之
KADOKAWA / 2016-12-24
この本について
仕事や生活の中で、自分がいま立っている場所がどれくらい“人工的”で、どれくらい“自分で選んだもの”なのか、ふとわからなくなる瞬間ってありますよね。周りに合わせて動いているだけな気もするし、かといって全部を自分の意思で決めているわけでもない。その曖昧さにモヤっとするとき、この『横浜駅SF』は変な角度から気持ちを揺さぶってきます。 読者が保存していた抜粋にもあるように、この物語は「人間なのか人工物なのか」という問いを、ディストピアSFの形でぐいっと押し出してきます。駅が全国に増殖し続ける世界で、出会う人たちはどこか無機質で、でも妙に生活感があって、人工と自然の境目が曖昧。その曖昧さが、むしろ自分の日常を照らし返してくる感じがあります。とくに、小さな子どもを連れた家族がぽつんと登場する場面は、巨大なシステムの中で人がどう生きているのかを素直に考えさせられました。 大げさな教訓があるわけじゃないけれど、「境界線の引き方がわからなくなっている人」にはしっかり刺さると思います。自分の輪郭がぼんやりするとき、あえてこんな極端な世界に触れると、逆に現実の選択が少しだけ見えやすくなる。そんな読み味のSFでした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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