
東芝事件総決算 会計と監査から解明する不正の実相 (日本経済新聞出版)
久保惠一
日本経済新聞出版社 / 2018-06
この本について
仕事で数字やリスクの話になると、「どこまで深掘りすべきか」「現場の報告をどこまで信じていいのか」で判断が止まることってありますよね。特に大きな組織にいると、部署ごとの温度差や、意思決定の過程が見えにくいことで、モヤッとしたまま動いてしまうことも多いと思います。僕自身、会計や監査の話を「なんとなく重要だけど実感しづらい領域」として避けていた時期がありました。 この本は、そんなモヤモヤを具体的な場面に引き戻してくれます。たとえば、監査役監査・内部監査・外部監査が“連携していなかったら何が起こるのか”が、東芝の実例を通して手触りとしてわかるし、現場が柔軟に動けないことで工期やコストがどう歪んでいくのか、といったリアルなプロセスも描かれています。さらに、経営幹部の力関係や組織構造のクセが、のれん減損や調査の遅れにどう影響したのかという部分は、自分の職場にも置き換えやすいポイントでした。 会計不正という重たいテーマではあるんですが、「こうすれば防げた」という単純化ではなく、判断の難しさや現場の混乱も含めて淡々と描いてくれるので、自分の業務に引き寄せて考えやすいです。数字の裏側で何が起きているのかを知りたい人にはすごく刺さると思います。 組織の意思決定がなぜ歪むのかを、表面的な“失敗談”ではなく構造として理解したい人に向いている一冊です。
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